十三浜小指-八重子おばあちゃんの日記

十三浜小指は宮城県石巻市にある小さな集落です。八重子は大正8年(1919)生まれ。昭和24年(1949)12月から始まる日記。

昭和二十六年 十一月一日

十一月一日木曜 雨

 今日もぬいものをした。
 自分のちよっきをぬいはじめた。
 あわびは今日も口あきでしたがずぶぬれでした。
 少しとった。
 
十一月二日金曜 曇
 ちょっきをぬい終わった。
 たこ釣りは三メ二百つった。
 
十一月三日土曜 晴
 消防の演習でしたが天気がよくて何よりでした。
 大根つけをした。半分だけつけた。
 とてもよい大根です。今年はおそ蒔きでよかった。
 
十一月四日日曜 晴
 桑畑を妹と二人でうなった。
 べんとうをもってさしみずをやっと終わった。
 
十一月五日月曜 晴
 桑畑はおひる前までかかった。
 はやすみねの小麥をきつかけした。
 
十一月六日火曜 曇
 麥の土入をはじめた。少しぬかってひどかった。
 あなぐちを終わった。
 
十一月七日水曜 小雨
 さつまいもをほしこをあんでかけた。

昭和二十六年 十月二十六日

十月二十五日金曜 曇
 おひるまへは土入、正彦と大根をつんだ。あとかけ方をした。
 つけ物はとてもよいのばかりです。
 かへっておそ蒔きはよいようです。
 
十月二十六日土曜 曇
 今日は学校へ品評会を見にいってきた。
 いろいろ出品されて居た。
 家でも豆をだしたが等に入らなかった。
 妹とすばやでおひるを食べてきた。
 
十月二十七日日曜 雨
 かめの子をぬい始めた。
 しばらく柿たくりでぬい物をしないのでたくさんある。
 
十月二十八日月曜 雨
 今日もぬいかたをした。
 毎日よこやへいってぬいました。
 
十月二十九日火曜 曇
 今日までかかってぬい終わった。
 ちょっきを裁ちました。
 
十月三十日水曜 雪
 今年はじめての雪ふりでとても寒かった。あわびの開口でした。
 にわかに綿入れの支度をしはじめた。
 

昭和二十六年 十月二十日

十月二十日日曜 晴
 さしみずの桑畑をうなった。
 福三郎にすけられた。

十月二十一日月曜 晴
 すばやの豆うち。
 私たちはもときりをした。

十月二十二日火曜 晴
 よい天気でとても暖かでした。五人して豆うちをした。
 三俵やっと取った。早く終わって夕方大根ひきをした。

十月二十三日水曜 晴
 せんたくをしてからへらなを洗った。 
 夕方までかかった。

十月二十四日木曜 晴
 朝に土入れにはじめていった。
 けいやくでゆっくりやすんだ。
 相川へ婦人会の品評会に出品物を会長宅にもって行って来た。

昭和二十六年 十月十四日

十月十四日月曜 晴

 智恵子の家に豆うちに正子がいった。

 私は青豆を一斗二升ばかりうった。

 たこつりは今日もいった。二日で二千円以上つった。

 

十月十五日火曜 雨

 雨ふりで一日ぬい物をした。もんぺのつくろいをした。

 

十月十六日水曜 晴

 石巻から玉ねぎの苗がきて五百うえた。

 午後から柿おとしみんなで三十ばかりとった。

 すばやへ女の子が生れた。

 

十月十七日木曜 晴

 やき山のいも畠をうなった。

 二人で一日かかった。

 

十月十八日金曜 小雨・はれ

 柿よりをした。家の仕事 まゆ勘定。

 

十月十九日土曜 晴

 前山の大根ひき、へらなをひいた。

 洗ってほした。

 おそく蒔いたけどよい大根です。

昭和二十六年 十月八日

十月八日火曜 晴

 今日もあわびの口開でした。私と妹は桑畑うなひをした。

 はやすみねをおひるまえできめてあと稲を全部いれた。

 

十月九日水曜 曇

 今日は稲こきをした。

 朝支度してごはんをたべてから始めた。

 八俵こいた。和子に手つだいをもらった。

 

十月十日木曜 曇

 今日は朝からはじめた。十俵こいた。

 福三郎、ちえ子、和子にすけられた。

 

十月十一日金曜 晴

 今日で三日こき方をした。

 みんなに手つだっていただいて夕方まで全部終わった。

 みんなで二十三俵とった。今までよりよいので一番とったぶんです。

 

十月十二日土曜 晴・曇

 今日は柿おとしをした。さしみずは今までにない位なった。

 入れもので十四ばかりおとした。

 

十月十三日日曜 晴

 はじめて(たこ)釣りにいったので、おとうさんに柿おとしをしてもらった。

 今日は十一車につんできた。

昭和二十六年 十月一日

十月一日火曜 曇

 おひる前やすんであと前山をうなって蒔いた。

 和子にすけられた。

 

十月二日水曜 晴

 いも畠をうない終っておひる前で蒔きおえた。

 あとなたねを植えた。

 

十月三日木曜 曇

 小間屋の庭をコンクリートにした。一日できまらなかった。

 セメント三袋使った。

 

十月四日金曜 くもり・雨

 今日おひるまえまでかかってすっかり終わった。

 留春叔父さんに今日もてつだってもらった。

 

十月五日土曜 晴 (十一月三日 文化の日)

 夜までひどい雨でしたがすっかり晴れてせんたく物をした。

 夕方は石巻の叔父さんがきて、岩井さんと二人それに

 千葉運転士さんとで大にぎわいでごちそうをした。

 

十月六日日曜 晴

 やき山へ豆ひき、あづきもぎをした。

 

十月七日月曜 晴

 あわびの口開でした。

 風のためとれなかった。

 達夫のたん生祝いを心づくしでした。

昭和二十六年 九月二十二日

九月二十二日月曜 晴
 私はこやしを車につんで馬にひっぱり方をした。
 午後から豆ひき、あななぐちをした。
 
九月二十三日火曜 曇
 朝こやしをちらしてべんとうを持ってみんなでうなった。
 大きい畠は終わった。
 雨がふってきたので早くかえった。
 
九月二十四日水曜 晴
 朝になってはれたので、だいをうなって
 はやすみねにきて夕方までうない終わった。
 べんとうをもった。
 
九月二十五日木曜 曇
 金肥も、石灰ちっ素一袋、過火酸一俵をあななぐちに使った。
 はやすみねは朝日に過りんさんだけ用いた。
 蒔き方をした。一斗五升をはやすみねまでもってきた。
 
九月二十六日金曜 晴
 朝に正子とだいをまいた。さき山をべんとうもっていってうない方をした。
 大根畠に今日まいた。
 
九月二十七日土曜 晴
 さき山をうなった分をまき方、こやしつけをした。
 
九月二十八日日曜 晴
 さき山をおひる前で終わった。
 興惣治叔父さん手つだいにきたのであとはやすみねに小麥をまいた
 夜は相川にいった。
 今年は石灰ちっ素三俵、過石一俵、肥料石灰を二袋、
 計三千円代買った。
 
九月二十九日月曜 曇
 はやすみねにさつまいも掘りにいって
 おひる前したら雨がふってきてやすんだ。
 和子ととしみが手つだいにきた。
 いもは数二十ばかりとった。