十三浜小指-八重子おばあちゃんの日記

十三浜小指は宮城県石巻市にある小さな集落です。八重子は大正8年(1919)生まれ。昭和24年(1949)12月から始まる日記。

昭和二十六年 十一月二十五日

十一月二十五日日曜 曇
 とみ子のご祝儀でおてつだいにいった。
 
十一月二十六日月曜 曇
 今日はたら網は始めてたぐって来たがさっぱりとれなかった。
 夜は養蚕よりあいをしてみんなでさかもりをした。
 今年の桑苗の代金一本五円の内金をあつめて、
 二千二百本で一万一千円を小泊の先生を通じて支払った。
 
十一月二十七日火曜 曇
 毎日ぬい物をして、炊事をして一日を過ごすのです。
 
十一月二十八日水曜 曇
 今日は作兵伯父さんをたのんで、どなをないかたをした。
 雨が降ってきた。
 
十一月二十九日木曜 小雨
 今日もないかたをした。
 私はおしたくをした。

昭和二十六年 十一月二十日

十一月二十日火曜 曇
 雪しぐれでぬいものをした。
 
十一月二十一日水曜 晴
 あわびの開口です。とても暖かでよい日でした。
 ぬいものをした。
 
十一月二十二日木曜 曇
 今日もあわびとりです。
 大・四メ目、小・一メ八百とった。
 ぬい物をした。
 石巻の兄さん病気のため今日はみんないった。
 
十一月二十三日金曜 晴
 家の仕事をした。
 
十一月二十四日土曜 晴
 今年の冬は毎日暖かで春のやうです。
 中学校の文化祭を見てきました。
 とてもりっぱでした。

昭和二十六年 十一月十五日

十一月十五日木曜 曇
 小雨があったのでぬいものをしてやすんだ。
 小野寺魚屋が来て夜おそくまで、するめ買いをした。
 かみあらいをした。
 
十一月十六日金曜 晴
 さくり切りを一人でした。
 妹はしばやへいって土入をした。
 
十一月十七日土曜 晴
 風が始めて吹いたので寒くて家の仕事をした。
 妹が前山へ土入にいった。
 
十一月十八日日曜 晴
 はやすみねの残りをこやしかけをした。
 正彦にてつだってもらった。寒くてひどかった。
 
十一月十九日月曜 曇
 料理の講習で中学校でならった。
 栄養師の先生は保健所からお出でになって
 とても有益なお話と実習でした。
 先生の指導をこれからの生活に大いに取り入れて実習にうつしませう。

昭和二十六年 十一月八日

十一月八日木曜 晴

 結球白菜を洗って漬けた。せんたくをした。
 
十一月九日金曜 晴
 はやす峯へ土入れにいってきめてきた。
 さき山もした。
 
十一月十日土曜 晴
 油すめに月浜にいった。
 二斗五升もって油は三升と少し出た。
 午後はやき山へ土入に一人でいった。
 
十一月十一日日曜 晴
 こやしつけをした。
 家の人ばかりで馬に車をひかせて、二十だんつけた。
 なみだの畑へ二十一だんつけた。
 
十一月十二日月曜 晴
 今日ははやす峯へつけた。
 二十一だんつけてまだいも畑が残った。
 毎日風もないし暖かでとてもよい日和です。
 
十一月十三日火曜 晴
 するめを始めて四百枚ばかり分けたので
 ほし方をした。大根をつけた。
 
十一月十四日水曜 晴
 土入をした。今日で終わった。
 今年は先に土入をしてこやしをかけた。

昭和二十六年 十一月一日

十一月一日木曜 雨

 今日もぬいものをした。
 自分のちよっきをぬいはじめた。
 あわびは今日も口あきでしたがずぶぬれでした。
 少しとった。
 
十一月二日金曜 曇
 ちょっきをぬい終わった。
 たこ釣りは三メ二百つった。
 
十一月三日土曜 晴
 消防の演習でしたが天気がよくて何よりでした。
 大根つけをした。半分だけつけた。
 とてもよい大根です。今年はおそ蒔きでよかった。
 
十一月四日日曜 晴
 桑畑を妹と二人でうなった。
 べんとうをもってさしみずをやっと終わった。
 
十一月五日月曜 晴
 桑畑はおひる前までかかった。
 はやすみねの小麥をきつかけした。
 
十一月六日火曜 曇
 麥の土入をはじめた。少しぬかってひどかった。
 あなぐちを終わった。
 
十一月七日水曜 小雨
 さつまいもをほしこをあんでかけた。

昭和二十六年 十月二十六日

十月二十五日金曜 曇
 おひるまへは土入、正彦と大根をつんだ。あとかけ方をした。
 つけ物はとてもよいのばかりです。
 かへっておそ蒔きはよいようです。
 
十月二十六日土曜 曇
 今日は学校へ品評会を見にいってきた。
 いろいろ出品されて居た。
 家でも豆をだしたが等に入らなかった。
 妹とすばやでおひるを食べてきた。
 
十月二十七日日曜 雨
 かめの子をぬい始めた。
 しばらく柿たくりでぬい物をしないのでたくさんある。
 
十月二十八日月曜 雨
 今日もぬいかたをした。
 毎日よこやへいってぬいました。
 
十月二十九日火曜 曇
 今日までかかってぬい終わった。
 ちょっきを裁ちました。
 
十月三十日水曜 雪
 今年はじめての雪ふりでとても寒かった。あわびの開口でした。
 にわかに綿入れの支度をしはじめた。
 

昭和二十六年 十月二十日

十月二十日日曜 晴
 さしみずの桑畑をうなった。
 福三郎にすけられた。

十月二十一日月曜 晴
 すばやの豆うち。
 私たちはもときりをした。

十月二十二日火曜 晴
 よい天気でとても暖かでした。五人して豆うちをした。
 三俵やっと取った。早く終わって夕方大根ひきをした。

十月二十三日水曜 晴
 せんたくをしてからへらなを洗った。 
 夕方までかかった。

十月二十四日木曜 晴
 朝に土入れにはじめていった。
 けいやくでゆっくりやすんだ。
 相川へ婦人会の品評会に出品物を会長宅にもって行って来た。