十三浜小指-八重子おばあちゃんの日記

十三浜小指は宮城県石巻市にある小さな集落です。八重子は大正8年(1919)生まれ。昭和24年(1949)12月から始まる日記。

昭和二十五年 十一月十九日

十一月二十日木曜 晴
 待ちにまった鮑の開口です。
 風が吹いたし今までにない寒さでした。
 五メ目しか取らなかった。するめは三メ目つった。
 六十円で飯野川から買いに来た。
 二十五メばかりやった。

十一月十九日水曜 晴
 魚は池田さん渡しで十五メ三百目とった。
 千代子が気仙沼へいった。
 妹がかわいそうでほんとうにやりたくなかった。
 前の晩は、とみ子や和子と十一時まで話かたりをして来た。

十一月二十一日金曜 曇
 今日も鮑は取れなかった。
 ニメ目とって来た。
 するめは船中で五メ釣った。

 

(二十日と十九日が逆になっているのは、原文のままです)