十三浜小指-八重子おばあちゃんの日記

十三浜小指は宮城県石巻市にある小さな集落です。八重子は大正8年(1919)生まれ。昭和24年(1949)12月から始まる日記。

昭和二十六年 八月十三日

八月十三日木曜 曇
 小雨がふってさしみずのみしょうをとった。
 三時頃二十一枚桑づけた。
 夜は多い分をかけた。
 夕方私はお母さんとさき山をとってきた。
 四眠の枚数は百八十枚でした。
 分家のは十八枚です。
 
八月十四日金曜 晴
 天気はよくなって桑取りにはとてもよかった。
 さき山とさしみずにいった。
 今日も桑づけた。
 
八月十五日土曜 曇
 おひる前はやき山をとった。
 十本以上出来た。
 午後ははやすみねへいった。
 夕方雨がふって早く来た。
 
八月十六日日曜 雨
 雨ふりでひどかった。
 でもはれ間を見てたいしてぬれて居なかった。
 あがとをとった。
 
八月十七日月曜 晴
 はれ上がって助かった。
 あななぐちをとった。
 あとはやすみねをとった。
 もち米を配給にいってきた。

昭和二十六年 八月八日

八月八日土曜 晴

 朝は寺の上をとったし夕方は分家のをとった。

八月九日日曜 大雨

 朝の中はふらなかったが十時ごろから

 風やら雨やら今までなかった。

 夜はすっかりはれて居た。

八月十日月曜 晴

 朝あななぐちをとった。

 私は大根にこやしをかけた。

八月十一日火曜 晴

 今日からかつを釣りが出た。

 家の船は始めから金で二千円ばかり売った。

八月十二日水曜 曇

 朝からすりとりで一日中かかった。

 早い分は十六枚桑づけた。

 かつを志津川へ三千円代うってきた。

昭和二十六年 八月五日

八月五日水曜 雨
 妹等を桑取りにやって、私は朝からすりとりをして
 夜までかかった。
 
八月六日木曜 晴
 雨もすっかりはれて今日は又よい天気です。
 あと分を今日もすりとり、早い分十二枚を桑づけた。
    一兵土をかけた。
 
八月七日金曜 晴
    多い分は朝から桑づけた。
    さき山のみしょうをとったし一兵土をかけた。
    分家のやき山をとった。

昭和二十六年 八月一日

八月一日土曜 晴
 おそい分は三時頃箱から分けた。
 夜は早い分に桑づけた。五十枚ばかりです。
 
八月二日日曜 晴
 朝はみしょうを取って夕方は入山の赤木をとった。
 
八月三日月曜 晴
 朝は寺の上の赤木をとった。風が吹いて夕方は
 さき山のねずみがへしをとった。
 毎年二眠まではねずみかへしで育てるが、今年
 は新葉がなくてしまのちをまぜた。
 
八月四日火曜 晴
 朝は分家のやき山をとって来て夕方はさしみず
 のねずみがへしをとってきた。
 夜はねあみを入れた。

昭和二十六年 七月二十二日

七月二十二日金曜 晴
 箱洗ひをした。お父さんは棚つりをした。
 種は夜の中にきて分けた。
 
七月二十三日土曜 晴
 今日は掃立をした。
 九時頃はいた。給桑は今日は三回でした。(七十五瓦)
 
七月二十四日日曜 晴
 雨が降らないため新葉がなくて固いので
 とてもひどい。
 
七月二十五日月曜 晴
 一眠中に箱数は十七です。
 家では七十五瓦。すばやは十九瓦です。
 
七月二十六日火曜 晴
 今日はよどみに入った。
 消毒粉ぐすりをふった。
 
七月二十七日水曜 晴
 今日の三時頃桑づけた。
 二回ばかりやわらかい桑がよいそうです。
 
七月二十八日木曜 晴
 仙台から大杉先生がきて蚕を一軒一々みんな廻って見た。
 私の蚕室を写真取ってくれた。
 とてもよい先生でした。
 
七月二十九日金曜 曇
 さしみずへいって、すまのちを取ってきた。
 夜あみいれをして二重にした。
 二眠中は箱数は三十四でした。

激写~八重子日記

突然ですが・・・

これが八重子の日記だ!

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所定の日付欄を無視して、びっしり詰め詰めに書いてあります。

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写真のアップってこうやるんですね。

これからはわからない漢字があったら写真を載せてみよう。

昭和二十六年 七月十九日

七月十九日火曜 晴

 今日はやっと家へかえった。

 十五日ばかり石巻に居た。

 五千円ばかりかかった。

 ほし草刈りでお手つだいが来て終わった所でした。

 天気つづきでとてもよいあんばいでした。

 

七月二十日水曜 晴

 朝雨がふったのではやすみねへ大根まきにいってきた。

 まちにまった大根まきもやっとした。

 お墓まいりにさき子と厚子と三人でいってきた。

 虫ぼしをした。

 

七月二十一日木曜 晴

 すすはきをして、養蚕の準備をした。