十三浜小指-八重子おばあちゃんの日記

十三浜小指は宮城県石巻市にある小さな集落です。八重子は大正8年(1919)生まれ。昭和24年(1949)12月から始まる日記。

昭和二十六年 三月七日

三月七日木曜 雨 夜からのふりつづきで大分ふった。 三月八日金曜 晴 朝からのりぶつをしておひるまでぶった。 お祭りで仕事はやすんだ。 おかへみんな売り方がいった。 曇ってのりはほし上がらなかった。 三月九日土曜 晴 いも畠をうなった。 やき山を一日…

昭和二十六年 三月一日

三月一日金曜 晴 磯の開口でした。 波立ちでしたが海苔はとった。 草取りに行った。 正子は分家へいもまきにいった。 三月二日土曜 雨 雨ふりでいそはやすんだ。 三月三日日曜 晴 いそへいった。大波でした。 でものりは少し取れた。 草取りにいって来た。 …

昭和二十六年 二月二十七日

二月二十七日火曜 お昼から小雨がふってきた。 正子らは明日の中学校落成式の準備で相川へいった。 どうも明日の天気が心配です。 月浜からお客さんが来てお昼をたべていった。 売上金高 二千円 二月二十八日水曜 雨 折角待ちに待った落成式も雨でひどかった…

昭和二十六年 二月二十四日

二月二十四日土曜 晴 女のけいやくでやすんだ。 家ではすばやで味噌を煮た。 千代子や和子、正子たちでにた。 おかへいった。 のりは今日までかかった。 百三十枚、二十五枚たのんだ。 婦人会の役員をきめた。 二月二十五日日曜 晴 私はやき山へ麦の土入にい…

昭和二十六年 二月二十日

二月二十日火曜 雨 雨ふりでいそはやすんだ。 春とはいひ風が寒くてひどかった。 ぼろぬいをした。 二月二十一日水曜 みぞれ雪 ゆきまじりの雨ふりでひどかった。 よその人達が佐喜子をききにきた。 かぜひきでしたがよほどよくなった。 夜まで降った。 二月…

昭和二十六年 二月十五日

二月十五日木曜 晴 はやすみねへこやしがけ。十二だんつけた。 なみだは前の日と合わせて十四だんつけた。 麦はかれ葉が出てよくないが、こやしかけはやめた。 二月十六日金曜 晴 毎日風が吹いてさむい。草取りをした。 桑切りも始めた。 三月二十三日の授与…

昭和二十六年 二月十一日

二月十一日日曜 晴 さき山へ第一回こやしかけをした。 二十四だんつけて終わった。 二月十二日月曜 晴 家に留守ばんをして米の配給にいってきた。 午後からいりにおすたまりにいった。 配給代金 三千百二十円 二月十三日火曜 晴 いりに正子が手伝いにいった…

昭和二十六年 二月七日

二月七日水曜 晴 くちよせに志津川へ家の船でいきました。 私はさき山へ麦ふみにいった。 ひじきを一人づつでて刈った。 二月八日木曜 晴 麦ふみをした。 風が吹いてとてもひどい。 夜はおしたくをした。 二月九日金曜 晴 よいおししいりです。 いそまつりは…

昭和二十六年 二月三日

二月三日土曜 晴 いその開口でした。 みんな出たので一日でさっぱりと取りました。 のりぶちをした。 四十一枚ぶった。 二月四日日曜 晴 今日は二人づつでて、ひじきとりをした。 村長さんが来た。奥さんと二人で海岸まで見にいった。 女子青年団が料理のけ…

昭和二十六年 二月一日

二月一日木曜 晴 餅のおしたくで早く起きた。 いそへもいかぬので、ゆっくりおいしく食べた。 しばまるきにいって来た。 二月二日金曜 晴 しばまるきにいってきた。 売り方はやっと帰った。 全部で八千円ばかり持ってきた。

昭和二十六年 正月二十八日

正月二十八日月曜 家に居ていろいろかたつけたりお支度をした。 正月二十九日火曜 雪 大室へお見舞いにいってきた。 はつみさんと孝子と三人でゆっくり夕方までかかった。 正月三十日水曜 晴 春の雪ですっかりとけ始めた。 又も年越しでごはんを早くたべた。

昭和二十六年 正月二十五日

正月二十五日金曜 曇 朝はれ上がったと思って、のりを洗って来てぶった。 半分でやめた。すっかり曇った。 かみのやえのおばさんがきてお茶のみをした。 正月二十六日土曜 晴 やっとよいお天気でほし物で忙しかった。 のりは四十五枚とった。 正月二十七日日…

昭和二十六年 正月十七日

正月十七日木曜 晴 朝はじめて木をつみにいって来た。 今まで休んだのでとてもこわかった。 参拝をしてごはんを食べた。 夜は横屋のおばあさんの所へいってゆっくりお話をして来た。 正月二十日日曜 晴 磯の口開で二人づつ出て ふのり取りをしてみんなで分け…

昭和二十六年 正月十三日

正月十三日日曜 曇 ぬいものをした。 海はさっぱりなんの魚もなく毎日に家に居ます。 正月十四日月曜 晴 家の上を刈りはらいをした。 明るくなったので気持ちよかった。 正月十五日火曜 晴 学芸会を見にいってきました。 正彦もとてもよく出来てうれしかった…

昭和二十六年 正月九日

正月九日火曜 晴 新三郎伯父さんのおそう式でした。 たいした寒くはなかった。 正月十日木曜 大雪 夜からの吹雪でずいぶん降った。 全国的に相当のふりでした。 正月十一日金曜 曇 子供達の注射でみんなでいったら 役場から人がこないので、もどってしば屋で…

昭和二十六年 正月六日

正月六日日曜 晴 風が吹いて網船は休んだ。 柳津の人が来ていろいろ話かたりをした。 正月七日月曜 晴 お正月になってから始めての寒さでした。 鱈もさっぱりとれないので 家の船は網はみんなあげた。 新三郎伯父さんが急に死んだ。 今までとてもよくてよろ…

昭和二十五年 正月三日

正月三日木曜 晴 今日は五・六メばかり取った。 ぬい物を少しはじめた。木綿妹の裏物を買った。 八百円代買った。 正月四日金曜 晴 魚は少しだが志津川へ油の配給を受けて来た。 魚代から三千円やった。 昨日石巻から喜代子が泊まりにきて、家へ行って お茶…

昭和二十六年 正月一日

正月一日火曜 晴 しづかなよい天気でほんとによい元日です。 毎年のように酒のみが来て酒もりをしていった。 千代子も来たので夜はみんなでしば屋へお茶のみにいって来た。 正月二日水曜 晴 たら網は出初めをした。 十五メばかり取って相川へうって来た。 髪…

昭和二十五年暮れ よいお年をお迎えください

八重子おばあちゃんの昭和二十五年。 今年の日記は二十九日で最終です。 もうすぐ昭和二十六年がやって参ります。 暮れのご挨拶にかこつけて・・・ このブログを書き始めた動機は、いくつかあります。 一つ目は、この日記を製本してご縁のあった人たちに配れ…

昭和二十五年 十二月二十八日

十二月二十八日日曜 晴 餅つきでいそがしかった。 寒さはとても身にしみた。 たたみ屋が来てお昼を食べてから夜までに終わって帰った。 十二月二十九日月曜 晴 たら網は今日は二日目でいって来た。十四・五メ取った。 相川へ魚をまつりにいって来た。 これで…

昭和二十五年 十二月二十五日

十二月二十五日木曜 晴 せんたくをした。 魚は二十二メばかりとった。 佐喜子の誕生祝いをした。 志津川へ町用たしにいって、千二百円ばかりかった。 十二月二十六日金曜 晴 とても暖でした。米粉つきをした。 夕方こやしを四本さき山へはこんだ。 十二月二…

昭和二十五年 十二月二十二日

十二月二十二日月曜 晴 もち草を煮た。 きな粉こじき二千円 木綿・納 六百五十円 凍み豆ふ 百六十円 二千八百二十九円 十二月二十三日火曜 晴 せんたくをして船迎へにいった。 午後から灰を畠にふって来た。 あななぐちへいった。 いそ見てきた。 床屋さんが…

昭和二十五年 十二月十八日

十二月十八日木曜 晴 二十メばかり取った。 二日ぶりで百メばかりとった。 紙うりさんが来て泊まった。 十二月十九日金曜 晴 魚は三メ目ばかりしかとらない。 正子と二人ですぎぱ拾いをして来た。 新聞代 二百円 醤油代 三百円 クツ代 百三十円 見まい 百円 …

昭和二十五年 十二月十二日

十二月十二日金曜 晴 しづかなよい天気でした。 多喜子のよろこのご祝儀をした。 盛大にすごした。 十二月十三日土曜 曇 婦人会ののりを集めた。 三百九十枚で七十円の割 (※1)百枚(※2)百枚(※3)百枚 (※4)二十枚(※5)(※6)四十枚 (※7)三十…

昭和二十五年 十二月八日

十二月八日月曜 晴 今日は婦人会ののり取りをした。 去年より少ない。 十二月九日火曜 晴 のりぶつをした。いりと二軒でした。 四十枚ばかりぶった。 しづかな日和でよかった。 十二月十日水曜 晴 のりは今日までかかった。 少しうすかったが風がなくてよか…

昭和二十五年 十二月一日

十二月一日月曜 晴 波立ちで相川へ着いたのでみんなでいった。 久子が来て餅を食べた。 十二月二日火曜 曇 小指前で魚、五、六本取って来た。 沖網をさして来た。 夕方、かみへ手伝いに行った。 十二月三日水曜 大雪 朝かみへ行ってあと家へ帰って正子をやっ…

昭和二十五年 十一月二十七日

十一月二十七日木曜 晴 毎日同じあみたどかしとお支度をします。 凍大根をした。 風が吹いてするめ釣りはひどかった。 四十枚分けて小泊へ百円代うった。 十一月二十八日金曜 晴 網は家ではやすんだ。 沖はさっぱり取れないので、 小指沖で、小泊やいりでは…

昭和二十五年 十一月二十三日

十一月二十三日日曜 晴 寒いので家の仕事をした。 夕方はだんごをこしらへておいしく食べた。十一月二十四日月曜 曇 夜から今年始めての大雪でした。 寒さは又例年にないようです。 油すめをした。 たいしてこまないので、ゆっくりすめた。十一月二十五日火…

昭和二十五年 十一月十九日

十一月二十日木曜 晴 待ちにまった鮑の開口です。 風が吹いたし今までにない寒さでした。 五メ目しか取らなかった。するめは三メ目つった。 六十円で飯野川から買いに来た。 二十五メばかりやった。十一月十九日水曜 晴 魚は池田さん渡しで十五メ三百目とっ…

昭和二十五年 十一月十六日

十一月十六日日曜 雨 するめほしをして砂糖の配給にいった。 トラックが川へてんぷくをして、みんな手伝って上げ方をした。 家でもご飯を煮てやった。 するめは二十枚分けた。 山崎薬屋さんが来て泊まった。十一月十七日月曜 晴 網たぐりがいって来た。 魚は…